単純に縦に振り下ろすと、あたり損ねてもミスするエリアというのが、
前から後ろにひいたよりも、少なくなります。
また人間の眼の性質にも大きく影響しています。
人間の眼は、左右にあるため、縦横2次元の位置を特定するのは、
非常に正確ですが、奥行きの3次元を含めた位置を特定するのは、
あまり得意ではありません。
つまり、ボールを上から見てスウィングすると、
クラブヘッドが地面からどれくらい浮いているかという、
奥行きの軸の距離を正確に見ることが難しいのです。
しかも、自分でフルスウィングしているような状況では、
それを見極めるのは、きわめて難しいことでしょう。
これを克服するには、二つの方法しかありません。
(1)確率の高い方向に振る。
(2)数を練習して、自然にうまくあたるように努力する。
プロや子供などは、数をこなし、自然に(2)の方法で、
ボールを捕らえられるようになっていますが、
アマチュアが早く確率を上げるようにするためには、
(1)の方法の方がいいと思います。
このように書きましたが、結果として、プロや子供は、
数多く練習する上で、(1)で行うような確率の高い方向への
スウィングに自然になっています。
そのため、初めから(1)のように練習するのがよいでしょうか。
但し、人間の錯覚を克服するのは、非常に難しく、
頭でわかっていたとしても、後ろから前へ飛ばそうとするのが、
心情です。
これを克服するために、一度変わったうち方をしてほしいと思います。
打ちたい方向に対して、後ろ向きに立ち、ボールが左足の横にあるようにして、
自分の前方から背面に向かってボールを打ってみましょう。
かなり打ちにくい姿勢ですが、もし、いままでスライスしか打ったことがない人に、
とっては、これまでにない当たりとなったのではないでしょうか。
実は、ゴルフはボールを右から左に飛ばすスポーツではなく、
本来的には、自分の前から後ろにボールを飛ばすスポーツなのです。
それに体のひねりを入れるので、結果として、
右から左にスウィングしているように見えるのですが、
実は、前から後ろにスウィングしているのが正しい状態です。
前から後ろに自分がスウィングしてみた時に、
スイカ割りや剣道のメンに近い軌道になっているのに、
気づいたかもしれません。